回復支援というまなざし
薬物事犯保護観察対象者を支える保護観察官の考察から
- 有野雄大(著)/2026年2月
- 5500円(本体)/A5判並製297頁
- 装丁:長田年伸
犯罪や非行からの回復は、対象者自身の人間としての尊厳とその主体性の回復から始まる――
薬物事犯者に日々向きあう保護観察官が、刑事司法の枠組の限界という葛藤を抱えながらも、対象者を処遇の客体ではなく回復する主体と捉える〈回復志向性〉という概念によって、保護観察だからこそできる支援を追求する姿を描く。
(ISBN9784868161196)
目次|Contents
はじめに
序章 本書の目的と構成
第1節 本書の目的
第2節 本書の構成
■第1部 薬物事犯者をとりまく環境―文献研究
第1章 薬物関連問題の動向
第1節 日本における薬物犯罪対策の動向
第2節 日本における薬物乱用防止対策
第3節 更生保護における薬物事犯者処遇
補節 海外における薬物犯罪の動向と対策
第2章 薬物依存からの回復とは
第1節 精神疾患からの回復と薬物依存からの回復
第2節 リカバリー(回復)志向性(Recovery-oriented)の定義と要素
第3節 薬物関連問題当事者の処遇
第4節 問題点と本書の意義
■第2部 保護観察官の葛藤と〈回復志向性〉―実証的研究
第3章 薬物事犯者との関わりにおける自己変容プロセス(研究1)
第1節 目的
第2節 対象と方法
第3節 結果
第4節 考察
第5節 小括
補節 家族との関わりの変容
第4章 薬物事犯者の回復を促進する関わりとは(研究2-1)
第1節 目的
第2節 対象と方法
第3節 結果
第4節 考察
第5節 小括
第5章 薬物事犯者への〈回復志向性〉の尺度(研究2-2)
第1節 目的
第2節 対象と方法
第3節 結果
第4節 考察
第5節 小括
第6章 保護観察官の〈回復志向性〉に影響する要因(研究2-3)
第1節 目的
第2節 対象と方法
第3節 結果
第4節 考察
第5節 小括
結章 葛藤を抱えながら回復を支援する―総合考察
第1節 本書によって得られた知見
第2節 本書の意義
第3節 実践への示唆と提言
第4節 本書の限界と課題
第5節 結語
おわりに
著者|Author
有野雄大(ありの・ゆうだい)
筑波大学大学院人間総合科学学術院人間総合科学研究群(3年制博士課程)ヒューマン・ケア科学学位プログラム修了。博士(ヒューマン・ケア科学)。公認心理師、精神保健福祉士、社会福祉士。
2008年度法務省入省。釧路、旭川(沼田)、長野、さいたま、東京(立川)の各保護観察所において、保護観察官として犯罪をした者や非行のある少年の指導や支援等に従事したほか、法務省保護局、川越少年刑務所、内閣府、法務総合研究所、東京拘置所でも勤務した。
薬物関連問題のある者への指導や支援に関心が高く、保護観察所において長年従事。特定非営利活動法人ASK認定依存症予防教育アドバイザーとしても活動している。
