語りとヴィジュアリティ―シャーロット・ブロンテの一人称小説を読む

語りとヴィジュアリティ

シャーロット・ブロンテの一人称小説を読む

  • 杉村藍(著)/2025年12月
  • 4000円(本体)/A5判上製274頁
  • 装丁:江森恵子(クリエイティブ・コンセプト)

シャーロット・ブロンテが生み出す言葉と視覚的イメージの世界へ――その生きた時代と生涯を背景に
「書くこと」と「描くこと」はどのように結びついていたのか。シャーロット・ブロンテの3つの一人称小説『教授』『ジェイン・エア』『ヴィレット』を対象に、物語と絵画が相互に影響しあった独特の創作方法に迫る。
(ISBN9784868160595)

目次|Contents

序章 語りとヴィジュアリティという視座
第1部 その生きた時代と生い立ち
第1章 一九世紀イギリスはどのような時代だったか
第2章 シャーロット・ブロンテ――その生涯
第2部 作家への道程――初期作品の世界
第3章 初期作品の始まりとその意義
第4章 初期作品における語りとヴィジュアリティ
第3部 リアリズムへの挑戦――『教授』
第5章 都合のよい真実――『教授』における科学的観察
第6章 破綻する語り――『教授』におけるクリムズワスの創造性と語りの綻び
第4部 語りとヴィジュアリティの融合――『ジェイン・エア』
第7章 語り手への道のり――ジェイン・エアの描いた軌跡
第8章 『ジェイン・エア』におけるヴィジュアリティとその効果――ビューイックの謎を解く
第5部 実人生を映した歪み――『ヴィレット』
第9章 黙した語り手――ルーシー・スノウが描く曖昧な結末
第10章 物語を紡ぐ光と影――『ヴィレット』におけるヒロインの謎
終章 ことばとイメージが織りなすもの――まとめに代えて

著者|Author

杉村藍(すぎむら・あい)
鳥取大学地域学部地域学科国際地域文化コース教授。英国リーズ大学大学院修了(修士)。名古屋大学大学院国際言語文化研究科国際多元文化専攻単位取得満期退学。博士(文学)。著書に『「ジェイン・エア」を読む』(開文社、1995年)、『ブロンテ姉妹の時空―三大作品の再評価』(北星堂、1997年)、『ブロンテ姉妹を学ぶ人のために』(世界思想社、2005年)、『ザルツブルグの小枝』(大阪教育図書、2007年)(以上共著)他、翻訳に『ブロンテ家の人々』(共訳、彩流社、2006年)、『子どもが描く世界―オースティンからウルフまで』(共監訳、彩流社、2010年)、他。

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こころへの旅―世界文学に映る「葛藤」の諸相

こころへの旅

世界文学に映る「葛藤」の諸相

  • 辻󠄀和彦、磯崎康太郎、一瀬真平(編)/2025年12月
  • 3200円(本体)/四六判並製318頁
  • 装丁:矢萩多聞

「文学」が「こころ」を救済する。「こころ」が「文学」に命を与える。
古今東西の文学テクストを「内なる闘い」「外なる戦い」という2つの視点から読むことで、人のこころが抱える「葛藤」のありように迫る、9つの論考。
(ISBN 9784868160618)

目次|contents

序章 内なる闘い、外なる戦い――ユーディット物語における生と死【磯崎康太郎】
第1部 内なる闘い
第1章 マーク・トウェインとチャールズ・ディケンズ――トラウマの共鳴【一瀬真平】
第2章 娘の心、親知らず――ジャメイカ・キンケイド『アニー・ジョン』にみる母と娘の諍い【岩瀬由佳】
第3章 鏡に写るのは誰(へ)のこころか――川端康成の「化粧」と「水月」【平井裕香】
第4章 兎のアドルフはなぜ「恍惚と懊悩に白眼をむく」のか――D・H・ロレンスのagony論【大山美代】
第2部 外なる戦い
第5章 「考える人」のポーズをとる巨大ロボットと「進軍」するライオンたち――フランス解放における「不都合な真実」を寓意するアニメーション映画【松田和之】
第6章 「力なき武器」としての印象主義小説――ヘアマン・バング『ティーネ』と一八六四年の破局【奥山裕介】
第7章 失語、あるいはポストソヴィエト・トラウマ――アカ・モルチラゼ『ナゴルノ=カラバフへの旅』【五月女颯】
終章 戦争に行かなかった兵士――エドガー・アラン・ポーが抱えたPTSD、あるいはその可能性【辻󠄀和彦】

編者|editors

辻和彦(つじ・かずひこ)
近畿大学文芸学部教授。専門はアメリカ文学。著作に『その後のハックルベリー・フィン―マーク・トウェインと十九世紀アメリカ社会』(渓水社、2001年)など。
磯崎康太郎(いそざき・こうたろう)
福井大学国際地域学部教授。専門はドイツ文学。著作に『アーダルベルト・シュティフターにおける学びと教育形態』(松籟社、2021年)など。
一瀬真平( いちのせ・しんぺい)
尚絅学院大学総合人間科学系講師。専門は英米文学。論文に“Reconsidering Midwestern Author Sherwood Anderson: Columbus’ Representations and the Society of American Indians.” The Midwest Quarterly 64(2) pp. 155–168、2023.など。

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スコットランドの詩と音楽―社会をつなぐ伝承文化

スコットランドの詩と音楽

社会をつなぐ伝承文化

  • 照山顕人・米山優子(編)/2025年11月
  • 3900円(本体)/A5判上製398頁
  • 装丁:矢萩多聞

古来さまざまな民族や言語、宗教、習俗などが交錯し、独自の豊かな文化圏を形成してきたスコットランドの、とくに伝承性の高い詩と音楽の領域に着目し、その本質と価値を探る。詩のほか、バグパイプ、ハープ、スコティッシュ・ダンスなどの音楽も取り上げる。
(ISBN 9784861109829)

目次|Contents

Ⅰ 詩・詩人
第1章 ロバート・バーンズの詩における個別と普遍―その豊饒と共感的想像力について〔木村俊幸〕
第2章 ロバート・バーンズの宗教諷刺詩を読む―「信心深いウィリーの祈り」における諧謔精神〔照山顕人〕
第3章 バイロン懐旧のスコットランド―スコットとジェフリーとの交流について〔東中稜代〕
第4章 詩と歌―ジェイムズ・ホッグ『スコットランドの田園詩』(一八〇一)〔吉野由起〕
第5章 「誰のものでもない土地」へ―二言語詩人イアン・クライトン・スミス〔中尾まさみ〕
第6章 現代スコットランド詩と環境主義―キャスリーン・ジェイミーと地球の歌〔金津和美〕
Ⅱ バラッド・ソング
第7章 ハーンの英文学講義にみるスコットランド的人文主義への共感―ケルト魂の原郷をめざして〔先川暢郎〕
第8章 ヨーロッパの辺境から中心へ―十八世紀末のスコットランド民謡の波及〔小林英美〕
第9章 ボシー・バラッドの風景―デイヴィッド・カー・キャメロンが伝える農村の生活〔宮原牧子〕
第10章 アルスター・スコッツの軌跡―北米大陸の「スコットランド人」〔谷川冬二〕
第11章 エドウィン・ミュアとバラッド―島の記憶に育まれた想像の世界〔米山優子〕
第12章 災厄を伝えるスコットランドの伝承童謡―「小さき人びと」の物語歌〔鵜野祐介〕
Ⅲ 伝統音楽・楽器
第13章 スコットランドのバグパイプの音楽―楽器の特徴や曲種とその演奏シーン〔山根篤〕
第14章 ハイランドの金属弦ハープ―楽器、奏者、音楽〔寺本圭佑〕
第15章 スコットランドのダンス音楽―伝統のハイランド・ダンスと国際化のカントリー・ダンス〔岡田昌子〕
第16章 パイプオルガン排斥と受容にみるスコットランドの五百年―宗教改革から今日まで〔横山正子〕
第17章 伝統音楽は〈雑多なスコットランド人の音楽〉になれるのか―マーティン・ベネット「マッカイのメモワール」の越境性〔加藤昌弘〕

編者|Editors

照山顕人(てるやま・あきと)元関東学園大学経済学部准教授。
米山優子(よねやま・ゆうこ)静岡県立大学国際関係学部准教授。

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ブラジル移民と五七五―ブラジル国際俳句(ハイク)のトランスカルチュラルな展開

ブラジル移民と五七五

ブラジル国際俳句(ハイク)のトランスカルチュラルな展開

  • 白石佳和(著)/2025年11月
  • 4500円(本体)/A5判上製268頁
  • 装丁:毛利一枝

日本にもブラジルにもそして世界にも知られていないブラジルの俳句(ハイク)・ハイカイ文化の多様な展開について、仲介者である増田恆河(1911-2008)と当時の日系ブラジル人、増田の活動に共感した非日系ブラジル人たちによる俳句活動の功績を通して明らかにする。
(ISBN9784868160755)

目次|Contents

序章 ブラジルに根付くハイク、ハイカイと増田恆河
    1 ブラジル国際ハイクの多様性と増田恆河
    2 ブラジル国際ハイクから発せられる問い
    3 本書の構成
    4 本書で使用する用語について

第一部 ブラジル国際ハイクのトランスカルチュラルな展開
第1章 日本語歳時記『自然諷詠』とポルトガル語歳時記『NATUREZA-BERÇO DO HAICAI』の比較分析
    1 ヨーロッパ・北米・南米の国際歳時記概観
    2 俳句の国際化と季語・季題
    3 日系ハイクにおけるブラジル歳時記とブラジル季語
    4 真のブラジル季語を厳選した『NATUREZA』
    5 『NATUREZA』の詩的感覚の記述
    6 オーセンティックな歳時記
第2章 増田恆河の俳論―その背景と展開
    1 増田恆河の論考の分析と考察
    2 俳句雑誌『雪』と増田恆河の関わり
    3 『雪』と村松紅花、増田恆河の関係
    4 「ブラジル季語」の概念
    5 増田恆河の季語論の変容と『雪』の関わり
    6 二つの歳時記と有季ブラジルハイカイの季語観
    7 増田恆河の仲介活動の意義と評価
第3章 トランスカルチュラルな有季ハイカイ―ブラジルのハイカイ結社グレミオ・ハイカイ・イペーの初期句集と俳句観
    1 ブラジルハイカイに出現した有季ハイカイ結社
    2 合同句集『四季』の分析
    3 イペー結社の俳句観
    4 コンタクト・ゾーンとしての「座」

第二部 俳諧からハイカイへ
第4章 増田恆河の連句活動
    1 日本語による連句活動
    2 ポルトガル語による連句活動
    3 ブラジル連句の活動の意義
    4 オーセンティックな国際連句
第5章 増田恆河のグレミオ・ハイカイ・イペーでのハイカイ活動とその背景
    1 グレミオ・ハイカイ・イペーの活動史
    2 増田恆河がブラジルハイカイと関わった理由
    3 文化の変容を促す座と日本からのエンパワーメント
第6章 ブラジルのハイク継承における日系準二世の仲介活動
    1 はじめに
    2 準二世とは
    3 グレミオ・ハイカイ・イペーの仲介活動
    4 マナウスにおける仲介活動
    5 結論

第三部 活動型文学の提案
第7章 越境する座の文学
    1 「座の文学」という概念
    2 座の文学の系譜
    3 座の文学に見られる四つの性格
    4 越境する座の文学
第8章 活動型文学と教育―俳句から連句へ
    1 俳句・連句の教育実践
    2 句会活動と対話性―俳句と連句の差異をめぐって
    3 座の文学と教育活動の対話性の比較
    4 活動型文学としての連句・俳句教育の可能性
    5 活動型文学の提案と可能性
第9章 言語教育としての連句の可能性
    1 連句とは
    2 連句実践の概要
    3 ダイナミック・アセスメントの視点から分析した連句実践
    4 プレイフル・ラーニングの視点から分析した連句実践
    5 今後の連句実践に向けて
終章 境界を耕す座の文学
    1 ブラジル国際ハイクのトランスカルチュラルな展開
    2 増田恆河が果たした仲介的役割
    3 座の文学の越境という視点
    4 本書の学術的貢献
    5 今後の展望

おわりに

註/初出一覧/参考文献/索引

著者|Author

白石佳和(しらいし・よしかず)
1969年、愛媛県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。金沢大学大学院人間社会環境研究科博士後期課程修了。
専門は、国際ハイク、日本語文学、日系文学、言語文化教育。
サンパウロ大学客員研究員、高岡法科大学准教授などを経て、現在、松蔭大学コミュニケーション文化学部教授。
主な著書に、『「日系」をめぐることばと文化―移動する人の創造性と多様性』(共著, くろしお出版, 2022)、『ことばと公共性―言語教育からことばの活動へ』(共著, 明石書店, 2024)
『検証 戦争に加担した日本文学3―ソフト・パワーとしての〈萬葉集〉』(共著, 花鳥社, 2025)他。

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芥川龍之介が描いた近代中国の都市空間―揺らぐアイデンティティ

芥川龍之介が描いた近代中国の都市空間

揺らぐアイデンティティ

  • 姚紅(著)/2025年11月
  • 5000円(本体)/A5判上製352頁
  • 装丁:長田年伸

中国を題材とした紀行文や小説における近代中国の都市表象に焦点を当て、「東洋」と「西洋」、「伝統」と「近代」、「自己」と「他者」の間で揺れ動いた近代知識人の葛藤を読み解く。
(ISBN9784868160533)

目次|Contents

序章
第一章 芥川の中国旅行の背景
第二章 芥川と上海における日本語マスメディア
第三章 南京の虚構と現実
第四章 蕪湖の旅
第五章 湖南の革命表象
第六章 武漢の諸相
第七章 上海・北京における伝統演劇の鑑賞
第八章 「蛮市」天津で感じた「郷愁」
結章

著者|Author

姚紅(よう・こう)
筑波大学人文社会研究科文芸・言語専攻博士課程一貫制修了。博士(文学)。現在、白百合女子大学言語・文学研究センター助手、早稲田大学非常勤講師。
主な論文に「中国における芥川龍之介文学の翻訳――『支那游記』を中心に」(日本比較文学会編『越境する言の葉――世界と出会う日本文学』彩流社、2011年)、「台湾と中国における渡辺淳一文学の翻訳について――『失楽園』を中心に」(筑波大学比較・理論文学会『文学研究論集』第34号、2016年2月)、「二〇二二年中国で人気の日本文学作品――当当網のデータを通して」(白百合女子大学言語・文学研究センター編『アウリオン叢書第二二号 世界文学としての日本文学』弘学社、2024年)などがある。

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幻想と怪奇の英文学V―関西疾風編

幻想と怪奇の英文学V

関西疾風編

  • 東雅夫、下楠昌哉(責任編集)/2025年10月
  • 3000円(本体)/四六判上製422頁
  • 装丁:矢萩多聞

気鋭の文学者らが論じた幻想文学の本格的な研究・批評の集成、第5弾!
関西の若手研究者を中心とした論考群に加え、「首なし騎士」伝説について論じた東雅夫氏によるエッセーも収録!
(ISBN 9784868160632)

目次|contents

前口上【東雅夫】

第1部 吸血鬼 vs. ヴァンパイア
無声映画と溢れる分身―懸賞映画小説「踊る幻影」の世界【西川貴子】
ヴァンパイアをめぐる〈皮膚〉と美醜の問題―ルスヴン、クラリモンド、カーミラ、ドラキュラを中心に【森口大地】
吸血鬼をヴァンパイアと呼ばなかった男―ラフカディオ・ハーンと血を吸う怪物たち【下楠昌哉】
第2部 この世のあわいの英詩の園で
死の床に横たわりて―「物」としてのジョン・ダンの生と死の身体【友田奈津子】
循環するコモンプレイス―初期近代読書文化と『妖精の女王』第一巻【円浄ゆり】
イギリス・ロマン主義とゴシック―ワーズワスの『ソールズベリー平原』を中心に【金津和美】
幕間 「首なし騎士」に魅せられて【東雅夫】
第3部 メイク・アメリカ・ファンタスティック
女が語り始めるとき―エドガー・アラン・ポーと霊との交信【池末陽子】
セアラ・オーン・ジュエットの幻想小説―哀しい怪物たちと恐ろしい人々【斎藤彩世】
ルイーザ・メイ・オルコットが描く「ミイラの呪い」【吉田朱美】
『オズの魔法使い』における虚偽と政治の可能性―日本文学との比較をとおして【山辺省太】
第4部 英国とアイルランドの「あなたの知らない世界」
人を撮るカメラ、人を撃つカメラ―E・W・ホーナング『カメラの悪魔』【金谷益道】
寄る辺ない者たち、共闘せよ!―フラン・オブライエン『第三の警官』における自転車との接続【遠藤徹】
反転する別世界―C・S・ルイスの『魔術師のおい』とスザンナ・クラークの『ピラネージ』における対照的な他者性【野田ゆり子】
曖昧になる生と死の境界線―ローラ・パーセルの『象られた闇』【諏訪暁】

対談【下楠昌哉×東雅夫】
執筆者紹介(東雅夫によるメール・インタビュー)
あとがき

編者|editors

東雅夫(ひがし・まさお)
神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。『幻想文学』と『幽』の編集長を歴任。
著作に『遠野物語と怪談の時代』(角川選書、第64回日本推理作家協会賞受賞)、『なぜ怪談は百年ごとに流行るのか』(学研新書)、『クトゥルー神話大事典』(新紀元社)、『文豪たちの怪談ライブ』(ちくま文庫)、『日本幻想文学大全』『世界幻想文学大全』(編著、ともに全三冊、ちくま文庫)など。
下楠昌哉(しもくす・まさや)
東京都生まれ。同志社大学文学部教授・博士(文学)。著作に『妖精のアイルランド―「取り替え子」の文学史』(平凡社新書)、『イギリス文化入門』(責任編集、三修社)、『良心学入門』(共著、岩波書店)、編訳書に『妖精・幽霊短編小説集―『ダブリナーズ』と異界の住人たち』、『雪女・吸血鬼短編小説集―ラフカディオ・ハーンと怪奇譚』(共に平凡社ライブラリー)など。

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声を聴くこと―ゆらぎと気配の弁証法

声を聴くこと

ゆらぎと気配の弁証法

  • 声の主体による文化・社会構築研究会(代表・間瀬幸江)(編)/2025年10月
  • 3500円(本体)/四六判並製316頁
  • 装丁:中本那由子

私は ここに います/いました
戦争、飢饉、災害、性暴力――災いを語ることも、それを聴くことも、難しい。社会に聴かれぬ人々がさらに透明化されてもなお、その声を聴くための視点を、文学・歴史学・哲学・演劇学・社会学など複数の領域から論考・エッセイの形態で多角的に提示する。
(ISBN9784868160502)

目次|Contents

はしがき 【間瀬幸江】

1.[論考]
「私」をめぐる問い――第一世代の戦争体験を書く第三世代の作家、フランソワ・ヌーデルマンとアンヌ・ベレスト 【國枝孝弘】
2.[エッセイ]
静かにささやく声が聞こえた 【栗原健】
3.[論考]
言葉と辞書の時代性――大槻文彦『言海』を読む 【菊池勇夫】
4.[エッセイ]
翻訳者の視点から――沈黙を見る 行間を読む 【永田千奈】
5.[論考]
証言における真理と倫理の交差 【越門勝彦】
6.[エッセイ]
建築計画学から考える 【石井敏】
7.[論考]
『シャイヨの狂女』再読のアルケオロジー 【間瀬幸江】
8.[エッセイ]
一つの史料から 【菊池勇夫】
9.[論考]
遊びとして押し寄せる子どもの声――支援者のゆらぎと「余白の時間」  【安部芳絵】
10.[公開シンポジウム「声の気配(けはい)を聴く」レスポンス]
声を聴く私たちと、その複数性について――アフガニスタン記念碑(ヴィクトリア)、帝国戦争博物館(ロンドン) 【酒井祐輔】
11.届けられた声――シンポジウム来場者アンケートから 【間瀬幸江】
「声の気配」を聴くことは、みずからの声の輪郭をも描き直す営みである――あとがきにかえて 【間瀬幸江】

あとがき
用語解説
初出一覧
文献
図表一覧
索引
謝辞

編者|Editor

声の主体による文化・社会構築研究会

國枝孝弘(くにえだ・たかひろ)
◆フランス文学・言語表現論・フランス語教育/慶應義塾大学教授
主要業績:「ことばは現実をどのように『すくいとるか』――体験・共感・言葉の所有」(宮代康丈・山本薫編『言語文化とコミュニケーション(シリーズ総合政策学をひらく)』慶應義塾大学出版会、2023)ほか。

栗原健(くりはら・けん)
◆宗教文化・ドイツ史/宮城学院女子大学准教授
主要業績:Celestial Wonders in Reformation Germany(Pickering & Chatto, 2014)ほか。

菊池勇夫(きくち・いさお)
◆日本近世史(東北・北海道史)/宮城学院女子大学名誉教授
主要業績:『江戸時代の災害・飢饉・疫病――列島社会と地域社会のなかで』(吉川弘文館、2023)、『近世の気象災害と危機対応――凶作・飢饉・地域社会』(吉川弘文館、2024)ほか。

永田千奈(ながた・ちな)
◆フランス語翻訳者
主要業績:シュペルヴィエル『海に住む少女』(光文社古典新訳文庫、2006)、マッコルラン『悪意』(国書刊行会、2021)などの幻想文学のほか、ノンフィクションなど訳書多数。

越門勝彦(こえもん・かつひこ)
◆哲学・倫理学/明治大学教授
主要業績:『省みることの哲学――ジャン・ナベール研究』(東信堂、2007)、『現代フランス哲学入門』(川口茂雄・越門勝彦・三宅岳史編著、ミネルヴァ書房、2020)ほか。

石井敏(いしい・さとし)
◆建築学(建築計画)/東北工業大学教授
主要業績:「自立した暮らしを支える高齢期の住宅」「地域居住を支えるサービスハウスとサービスセンター」(北欧環境デザイン研究会編『北欧流「ふつう」暮らしからよみとく環境デザイン』彰国社、2018)、「環境の整備」(太田貞治・上原千寿子・白井孝子編『介護福祉士実務者研修テキスト 全文ふりがな付き(こころとからだのしくみ)』第4巻、中央法規、2023)ほか。

間瀬幸江(ませ・ゆきえ)
◆フランス両大戦間期演劇/宮城学院女子大学教授
主要業績:『小説から演劇へ――ジャン・ジロドゥ 話法の変遷』(早稲田大学出版局、2010)、「『ルクレチアのために』の今日的意義――暗闇の中の手つかずの可能性」(澤田直、ヴァンサン・ブランクール、郷原佳以、築山和也編『レトリックとテロル―ジロドゥ/サルトル/ブランショ/ポーラン(日仏会館ライブラリー 3)』水声社、2024)ほか。

安部芳絵(あべ・よしえ)
◆こども環境学・教育学・子どもの権利論/工学院大学教授、世田谷区子どもの人権擁護機関委員
主要業績:『災害と子ども支援――復興のまちづくりに子ども参加を』(学文社、2016)、『子どもの権利条約を学童保育に活かす(そこが知りたい学童保育ブックレットシリーズ4)』(高文研、2020)ほか。

酒井祐輔(さかい・ゆうすけ)
◆イギリス文学/宮城学院女子大学准教授
主要業績:共編著『キーワードで読むヴァージニア・ウルフ――作品も作家もこの一冊で!』(小鳥遊書房、2025年刊行予定)、「ブルームズベリーのリベラルはコミュニティの夢を見たか?――ソサエティ、コミュニティ、ネーションの重複問題」(『遍在するソーシャリズム――長い20世紀の文化研究』小鳥遊書房、2025年刊行予定)ほか。

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異端のモダニスト―エドナ・セント・ヴィンセント・ミレイのソネットを読む

異端のモダニスト

エドナ・セント・ヴィンセント・ミレイのソネットを読む

  • 別府恵子、中村仁美、三杉圭子(著・編訳)/2025年9月
  • 3600円(本体)/四六判上製304頁
  • 装丁:矢萩多聞

モダニズム全盛期において伝統的なソネット形式を駆使したミレイの異端性とは?
時代背景、伝記、作品の特徴などを詳解し、ミレイのソネットへの再評価を促す。対訳付き。
(ISBN 9784868160823)

目次|Contents

まえがき
第I部 異端のモダニスト―エドナ・セント・ヴィンセント・ミレイという詩人(別府恵子)
I-1 1920年代を振り返る
I-2 ジャズ・エイジ/フラッパー/詩人
I-3 異端のモダニスト
I-4 コーラとエドナ―母が育てた詩人
I-5 『「ルネサンス」とほかの詩』(1917)
I-6 死に魅せられて
I-7 文学の社会性―ミレイの正義感
I-8 既成のジェンダー観への挑戦
第II部 ソネット連作を読む―対訳と解説
II-1 アメリカにおけるソネットの系譜(別府恵子)
II-2 ミレイとソネット―新しいワインを古い袋に入れて(別府恵子)
II-3 ソネット連作解題
「実生いの木のソネット」―自生と自立の詩(三杉圭子)
「人類に寄せる墓碑銘」―滅亡から再生へ(中村仁美)
『宿命的な出会い』―生命の混然さを紡ぐ(別府恵子)
第III部 対訳
対訳作品リスト
略歴(中村仁美)
Appendix 「恋する詩人ミレイ」(三杉圭子)
あとがき
文献リスト
索引

著編訳者|Authors and Editors and Translators

別府恵子(べっぷ・けいこ)
神戸女学院大学名誉教授、松山東雲女子大学名誉教授
神戸女学院大学文学部卒業。ミシガン州立大学ホーレス・ラッカム大学院博士課程英語・英文学研究専攻(M.A., Ed. D.)単著:The Educated Sensibility in Walter Pater and Henry James(松柏社、1979年)、『回想録―生かされ、生きて七十年』(キリスト教新聞社、2013年)、『聖母子像の変容―アメリカ文学にみる「母子像」と「家族のかたち」』(大阪教育図書、2019年)など
中村仁美(なかむら・ひとみ)
神戸市外国語大学名誉教授
神戸女学院大学文学部卒業。スタンフォード大学人文学研究科(Ph.D.)共著:『アメリカン・ルネッサンスの現在形―時代・ジェンダー・エスニシティ』(松柏社、2007年)、『越境する女性詩人たち―モダニズム再考』(神戸市外国語大学外国学研究所、2014年)、Henry James’s Travel(Routledge, 2019);共編著:『ジェイムズ兄弟妹とモダニティ』(神戸市外国語大学外国学研究所、2024年)など
三杉圭子(みすぎ・けいこ) 
神戸女学院大学文学部卒業。同志社大学大学院文学研究科英文学専攻博士(英文学)。神戸女学院大学文学教授。共著:『越境する女性詩人たち―モダニズム再考』(神戸市外国語大学外国学研究所、2014年)、John Dos Passos’s Transatlantic Chronicling(University of Tennessee Press, 2021)、『ジェイムズ兄弟妹とモダニティ』(神戸市外国語大学外国学研究所、2024年);共編著『ユダヤ文化事典』(丸善、2024年)など

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一九〇〇年ごろのベルリンの幼年時代 翻訳と解説

一九〇〇年ごろのベルリンの幼年時代 翻訳と解説

  • ヴァルター・ベンヤミン(著)、田邉恵子(訳・解説)/2025年7月
  • 3000円(本体)/四六判変型・並製324頁
  • 装丁:矢萩多聞

これぞベンヤミンの魂‼
二度と踏むことのできなかった故郷ベルリンに関する珠玉の魂ともいうべき回想「一冊の、ささやかな、本」の清新な翻訳と解説。
(ISBN 9784868160472)

目次|Contents

凡例
翻訳
 ヴァルター・ベンヤミン
 一九〇〇年ごろのベルリンの幼年時代(パリ・タイプ稿)
解説
 はじめに
 作品について
  作品成立史
  ヴァージョンおよび資料一覧
 翻訳について
 テクスト解題
  パリ・タイプ稿所収テクスト
  パリ・タイプ稿未収録のテクスト
 翻訳 ルソー島(一九三二年)
 論考 雄弁な中断―ベンヤミン「ルソー島」読解
あとがき

訳者|Translator

田邉恵子(たなべ けいこ)
1988年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門はドイツ思想。津田塾大学学芸学部准教授。著書に『一冊の、ささやかな、本―ヴァルター・ベンヤミン『一九〇〇年ごろのベルリンの幼年時代』研究』みすず書房、二〇二三年(第一五回表象文化論学会学会賞 奨励賞)。主な論文に「家に帰るカメ―ベンヤミン、遊歩のあとで」(『ユリイカ』二〇二四年六月号、青土社)ほか。

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響きあうポーとディケンズ

響きあうポーとディケンズ

  • 松本靖彦、西山けい子(編)/2025年5月
  • 3600円(本体)/四六判上製244頁
  • 装丁:矢萩多聞

ポーとディケンズはどのように出会い、すれ違ったのか?
ポーとディケンズの接点や共通点を手がかりとして、彼らの文学がどのような関係にあるのか、彼らはお互いのことをどのように見ていたのか、などを考察する8つの刺激的論考。
(ISBN9784868160335)

目次|Contents

第1章 鴉、鴉、鴉―ポーとディケンズ、濡れ羽色の縁(松本靖彦)
第2章 謎解きは書評のあとで―ディケンズとポーの「謎を解く」(渡部智也)
第3章 アメリカ社会と大衆へのまなざし―ポーとディケンズの批評・風刺(福島祥一郎)
第4章 短編小説の技法―ポーがディケンズから学んだこと(西山けい子)
第5章 ポーとディケンズの夜歩き―「群集の人」と「夜の散策」(松本靖彦)
第6章 狂人の革命を描く―ポーとディケンズの作品におけるフランス革命(岡本晃幸)
第7章 ディケンズとポーの描く幽霊、怪奇―一九世紀科学への関心(橋野朋子)
第8章 死体とユーモア―ポーとディケンズにおける無気味と笑いの交差(西山けい子)

編者|Editors

松本靖彦(まつもと・やすひこ)
東京理科大学教授
主な業績:「『互いの友』と『女王即位五十年祭の年に』にみる広告と消費(商品)文化」『ディケンズとギッシング―底流をなすものと似て非なるもの』(大阪教育図書、2018年)、“Perverted Virtue?: Jasper’s Evilness in The Mystery of Edwin Drood Readdressed.” Dickens and the Anatomy of Evil: Sesquicentennial Essays(Athena Press、2020年)、『〈線〉で読むディケンズ―速記術と想像力』(春風社、2022年)、「動かない人形のドラマ―ディケンズを通してみる人と人形(ひとがた)の関わり方」『ヴィクトリア朝文化研究』第22号(2024年)。

西山けい子(にしやま・けいこ)
関西学院大学教授
主な業績:『エドガー・アラン・ポー―極限の体験、リアルとの出会い』(新曜社、2020年)、「正直な人間が嘘をつくとき―『八月の光』における嘘と法外な歓待」『フォークナー』第23号(三修社、2021年)、「ポーにおける絵画の効果―肖像とアナモルフォーシス」『ポー研究』第16号(2024年)、「アウラとしての抒情―カーソン・マッカラーズの『結婚式のメンバー』を読む」『アメリカン・ポエジーの水脈』(小鳥遊書房、2025年)。

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