大地を切り裂く人々
ソロモン諸島「山の民」の開発・自己・自然
- 橋爪太作(著)/2025年12月
- 5000円(本体)/A5判上製368頁
- 装丁:大田高充
社会科学のメラネシア的生成変化!
忽然と消えたクランが残した「禁足地」、遺体から力を得ようとする若者、土地争いの場で「掘ってみれば分かる」と叫ぶチーフ、重機の振動に呼び覚まされる祖霊、「石から生まれた男」をめぐる系譜の内紛。
「大地の不穏な現れ」から、自らの社会観と未来を問い直す。
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マライタ島における土地は、我々の知るそれとはまったく違っている。土地は人間を支える安定的な地盤ではなく、あらゆる過去が堆積した潜在性の領域である。人々はこうした土地を「掘り」、そこに現れた自己の姿に驚く。(本文より)
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本書の「はじめに」を公開しています。
(ISBN 9784868160670)
目次|contents
はじめに 土地と向き合う人々
序章 メラネシアから社会と土地を考える
第1部 死が埋まる土地
第1章 海の側に住む「山の民」――調査地の民族誌的概要
第2章 不動の故地と伸び広がる系譜――キリスト教以前の西ファタレカ
第3章 「あってはいけない現実」の形成――マーシナ・ルールと自己知識の客体化
第2部 生きた土地
第4章 起源の闇と不穏な未来のあいだ――現代西ファタレカにおける社会変容の深層
第5章 家を作る者が捨てた石が隅の親石となる――西ファタレカのクラン間政治と「未発の革命」
第6章 木々が倒れるとき――メラネシアの人間と自然
第7章 故地へ帰る道路――インフラストラクチャーと新しい日常の構築
結論 目の前にある時間
あとがき
注
参照文献
索引
著者|author
橋爪太作(はしづめ・だいさく)
大阪公立大学現代システム科学研究科・准教授
文化人類学
主な著作に、『大地と星々のあいだで――生き延びるための人類学的思考』(イースト・プレス、2024年)、「未知の故郷への帰還――ソロモン諸島マライタ島の道路建設にみるインフラストラクチャーの両義性」(古川不可知編『モビリティと物質性の人類学』春風社、2024年)、「起源の闇と不穏な未来のあいだ――現代ソロモン諸島マライタ島西ファタレカにおける社会変容の深層」(『文化人類学』87(1)、2022年、第19回日本文化人類学会奨励賞受賞)
