大地を切り裂く人々:ソロモン諸島「山の民」の開発・自己・自然

大地を切り裂く人々

ソロモン諸島「山の民」の開発・自己・自然

  • 橋爪太作(著)/2025年12月
  • 5000円(本体)/A5判上製368頁
  • 装丁:大田高充

 

社会科学のメラネシア的生成変化!
忽然と消えたクランが残した「禁足地」、遺体から力を得ようとする若者、土地争いの場で「掘ってみれば分かる」と叫ぶチーフ、重機の振動に呼び覚まされる祖霊、「石から生まれた男」をめぐる系譜の内紛。

「大地の不穏な現れ」から、自らの社会観と未来を問い直す。

***

マライタ島における土地は、我々の知るそれとはまったく違っている。土地は人間を支える安定的な地盤ではなく、あらゆる過去が堆積した潜在性の領域である。人々はこうした土地を「掘り」、そこに現れた自己の姿に驚く。(本文より)

***

本書の「はじめに」を公開しています。

(ISBN 9784868160670)

目次|contents

はじめに 土地と向き合う人々
序章 メラネシアから社会と土地を考える

第1部 死が埋まる土地
第1章 海の側に住む「山の民」――調査地の民族誌的概要
第2章 不動の故地と伸び広がる系譜――キリスト教以前の西ファタレカ
第3章 「あってはいけない現実」の形成――マーシナ・ルールと自己知識の客体化

第2部 生きた土地
第4章 起源の闇と不穏な未来のあいだ――現代西ファタレカにおける社会変容の深層
第5章 家を作る者が捨てた石が隅の親石となる――西ファタレカのクラン間政治と「未発の革命」
第6章 木々が倒れるとき――メラネシアの人間と自然
第7章 故地へ帰る道路――インフラストラクチャーと新しい日常の構築

結論 目の前にある時間

あとがき

参照文献
索引

著者|author

橋爪太作(はしづめ・だいさく)
大阪公立大学現代システム科学研究科・准教授
文化人類学

主な著作に、『大地と星々のあいだで――生き延びるための人類学的思考』(イースト・プレス、2024年)、「未知の故郷への帰還――ソロモン諸島マライタ島の道路建設にみるインフラストラクチャーの両義性」(古川不可知編『モビリティと物質性の人類学』春風社、2024年)、「起源の闇と不穏な未来のあいだ――現代ソロモン諸島マライタ島西ファタレカにおける社会変容の深層」(『文化人類学』87(1)、2022年、第19回日本文化人類学会奨励賞受賞)

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近代日本におけるイスラームの転回―漂泊する知の考古学

近代日本におけるイスラームの転回

漂泊する知の考古学

  • 黒田賢治(著)/2025年12月
  • 4300円(本体)/A5判上並製336頁
  • 装画:Nina

イスラームという信仰は、この国でいつ発見され、どのように理解されてきたのだろうか。西洋と中国という経路によってもたらされ、仏教やアジア主義といったフィルターを通して変容し、やがてその一部は忘れ去られていった、知の系譜を掘り起こす試み。
新井白石による「マァゴメタン」の発見、文久遣欧使節団の「仏像」なきモスク体験、「怪傑マホメツト」像の創造、山岡光太郎に先立つ中島裁之の「メッカ」視察談の謎、そして大正三年の「巡礼船事業」……
日本はどのようにして、独自のイスラーム観を形成してきたのか。

(ISBN 9784868160700)

目次|contents

序章
第一章 イスラームの発見とサムライたちの教養
第二章 幕末日本におけるイスラームとの邂逅——文久遣欧使節団の記述より
第三章 西洋への眼差しのなかのイスラーム
第四章 明治日本のイスラーム――外来知識の咀嚼と帝国の戦略
第五章 翻訳時代のムハンマドの小伝と知の共鳴
第六章 明治期後期のイスラームをめぐる知の展開と系譜――ムハンマドの伝記とその資料
第六章補論 聖典クルアーン研究の先駆者藤田季荘
第七章 一九〇七年の中島裁之の世界旅行と「メッカ」視察談——日本初のマッカ訪問者をめぐって
第八章 近代日本とイスラーム世界の関係再考――大正三年巡礼船事業を中心に
終章

あとがき
参考文献
索引

著者|author

黒田賢治(くろだ・けんじ)
1982年奈良県生まれ。2011年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修了。博士(地域研究)。人間文化研究機構 総合人間文化研究推進センター研究員、国立民族学博物館助教などを経て、25年9月より国立民族学博物館グローバル現象研究部准教授。
専門は中東地域研究、イスラーム研究、文化人類学。

著書に『イランにおける宗教と国家――現代シーア派の実相』(2015年、ナカニシヤ出版)、『戦争の記憶と国家――帰還兵が見た殉教と忘却の現代イラン』(2021年、世界思想社、国際宗教研究所賞奨励賞受賞)、『現代イラン史――イスラーム革命から核問題、対イスラエル戦争まで』(2025年、中央公論新社)などがある。共著に『大学生・社会人のためのイスラーム講座』(2018年、ナカニシヤ出版)、『「サトコとナダ」から考えるイスラム入門』(2020年、星海社)など。

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ジャカルタ・アトラス―地図でみる都市の成熟

ジャカルタ・アトラス

地図でみる都市の成熟

  • 三村豊、新井健一郎、小泉佑介(編)/2025年12月
  • 執筆:田川昇平、林憲吾、塩寺さとみ、加反真帆、吉田航太
  • 3500円(本体)/B5判上製162頁
  • 装丁:株式会社 中野デザイン事務所

「ジャカルタ」というメガシティをいかに見ることができるか。この問いに、インドネシア政府の基幹統計「村落潜在力調査(PODES)」の多様なデータを地図によってビジュアル化し、「成熟」というコンセプトから迫る。
「発展途上国」あるいは「新興国」、高層ビル対スラムといった単純化された東南アジアのイメージではとらえきれない、人々の日々の営みから生み出される「住むこと」のダイナミズム。

(ISBN 9784868161004)

目次|contents

第Ⅰ章 ジャカルタへの招待
第Ⅱ章 都会で田舎なジャカルタの景色
第Ⅲ章 ジャカルタの暮らしの変化
第Ⅳ章 広くて多様なジャカルタ
第Ⅴ章 ディープなジャカルタを覗く

編者|editors

三村豊
総合地球環境学研究所|建築学(建築・都市史)
主要業績:三村豊(2016)「メガシティ・ジャカルタとビッグデータ─分散的共創としての巨大都市空間・史的分析を目指して」『建築雑誌』1690:34-35.三村豊・新井健一郎(2020)「居住環境から見たインドネシア首都圏のミドルクラスの規模と影響─2010年の衛星画像のSURFによる分析から」『都市創造学研究』4:41-59.

新井健一郎
亜細亜大学|都市研究、東南アジア地域研究
主要業績:新井健一郎(2012)『首都をつくる―ジャカルタ創造の50年』東海大学出版会.新井健一郎(2022)「ジャカルタにおける知事公選と住宅・居住環境整備」『都市創造学研究』6:17-58.

小泉佑介
一橋大学|人文地理学、地域研究
主要業績:小泉佑介・永田淳嗣(2018)「インドネシア・リアウ州住民の出生地・民族背景と産業別就業構造―2000年・2010年人口センサス個票データの分析を中心に」『東南アジア研究』56(1):3-32.小泉佑介(2023)『熱帯フロンティアへの移住と開拓―インドネシア外島の農園開発に伴う地域変動』東京大学出版会.

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医療と生活のあいだで、医師たちは何を思い、どう行動したのか

医療と生活のあいだで、医師たちは何を思い、どう行動したのか

  • 景山晶子(著)/2025年11月
  • 3900円(本体)/A5判上製320頁
  • 装丁:大國貴子

治す医療から、「治し、支える」医療へ――。
在宅診療をはじめ、いま医師の見る対象は患者の生活・社会領域にまで広がりつつある。医療が生活を支えるとはどういうことか? 境界があいまいになる医療と生活のあいだで葛藤しながら活動する、10人の医師たちが見たもの、語ったこと。
(ISBN9784868160793)

目次|Contents

 序章 なぜ医師に着目するのか

第1部 在宅医療に取り組む〈医師〉たち
 第1章 治せない患者の「生活」に近づく
 第2章 患者や家族が医師に求めたもの
 第3章 在宅医という仕事
 [コラム1]社会的処方の担い手

第2部 まちで活動する〈医師〉たち
 第4章 医療・介護の専門職との活動―「顔の見える関係」を超える
 第5章 まちの人々との活動―医療を語る場から一つの居場所へ
 [コラム2]医師がまちで行ってきたこと

第3部 「生活者」として医療を見る
 第6章 なぜ「生活」に関わっていくことができたのか
 終章 医師が「生活者」としてそこに居ること

 補遺 一般社団法人 Medical Studioに集った人々の記録

著者|Author

景山晶子(かげやま・あきこ)
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士前期課程修了、明治学院大学大学院博士後期課程修了、博士(社会学)。
会社員として勤務するほか、東京慈恵会医科大学、湘南医療大学大学院等で非常勤講師。
専門は医療社会学。医療現場やまちにおける医療従事者と人々の関係性について研究している。
主要著書に『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(共著、三恵社、2022年)。

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海外現地法人における日本人リーダーの役割―適応と育成のメカニズム

海外現地法人における日本人リーダーの役割

適応と育成のメカニズム

  • 高岡慎一郎(著)/2025年11月
  • 3100円(本体)/四六判268頁
  • 装丁:長田年伸

海外現地法人における日本人駐在員社長が、どのような役割適応課題に直面し、どのような他者の協力を得て、どのような行動を起こして役割適応していくのか、また、どのような育成が効果的であるのか、それらを分析し、提示する。
※Amazonプリントオンデマンド版のみ
(978-4-86816-058-8(Amazon POD))

目次|Contents

第1章 本書の調査対象と調査方法
第2章 海外現地法人における日本人駐在員社長の役割適応課題
第3章 海外現地法人における日本人駐在員社長の役割適応を促進する適応エージェント
第4章 海外現地法人における日本人駐在員社長の役割適応を促進するプロアクティブ行動
第5章 海外現地法人における日本人駐在員社長の育成に影響を及ぼすOJT
第6章 海外現地法人における日本人駐在員社長の育成に影響を及ぼすOff-JT
第7章 結論
第8章 本書の含意と課題
補章A 海外現地法人における日本人駐在員社長の役割
補章B 外国人高度人材の日本の職場への異文化適応に関する質的分析―プロアクティブ行動と文化変容の観点から

著者|Author

高岡慎一郎(たかおか・しんいちろう)
博士(経営学)/人事実務家/研究者・甲南大学ビジネス・イノベーション研究所 研究補助員。専門は組織行動学、異文化マネジメント、国際経営。
1975年生まれ。大阪府立北野高校、神戸大学経営学部卒。米国アリゾナ州サンダーバード国際経営大学院(Thunderbird School of Global Management)に留学し、経営学修士号(MBA)を取得。企業の人事部門において主にグローバル人材の育成・採用・組織開発等に従事し、シンガポール・マレーシアで5年間、ドイツで3年間にわたる駐在を経験。実務での経験を学術的に体系化すべく、甲南大学大学院社会科学研究科博士後期課程に進学。経営人材の育成と役割適応に関する実証研究に取り組み、博士(経営学)の学位を取得。海外現地法人における日本人駐在員社長の適応プロセス、高度外国人材の異文化適応などをテーマに据え、実務に根ざした理論的考察を行っている。また近年では、ラグビー日本代表チームを事例とした研究にも取り組んでいる。
主な論文に以下のものがある。
「Cross-cultural Adaptation of Highly Skilled International Talents to Japanese Workplaces: Proactive Behaviors and Acculturation」(『Annals of Business Administrative Science』2025年)
「日本企業における経営幹部育成に関する課題:Journal of Executive Educationのレビュー」(甲南大学ビジネス・イノベーション研究所モノグラフシリーズ 2022年10月)
「ラグビー日本代表ヘッドコーチに求められる要件に関する研究:企業経営者との比較を通じて」(ラグビージャーナル 3 2024年3月)

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先住民とデジタル化する世界

先住民とデジタル化する世界

  • 平野智佳子(編)/2025年11月
  • 3500円(本体)/A5判並製334頁
  • 装丁:コバヤシタケシ

スマートフォンやSNSは、世界各地に暮らす先住民の日常、アイデンティティ、抵抗の作法をいかに変容させたのか? 辺境と中心、リアルとバーチャルの境界を融解させながら立ち現れる、21世紀の〈先住民〉の新たな肖像。

(ISBN 9784868160663)

こちらから本書の序章と、目次・索引をお読みいただけます。

 

目次|contents

デジタル用語集 [pp.4-8]
序章 デジタル先住民研究の見取り図(平野智佳子) [pp.9-30]

第Ⅰ部 差別への抵抗
第1章 路上からインターネット空間へ:オアハカ先住民と「コモン」としてのストリートアート(山越英嗣) [pp.33-55]
第2章 先住民運動におけるソーシャルメディアの活用と感情の動員:オーストラリア都市部のブラック・ライブズ・マター運動を事例に(栗田梨津子) [pp.57-81]
第3章 デジタル空間における文化・コミュニティとの再接続(北原モコットゥナㇱ) [pp.83-102]

第Ⅱ部 環境をめぐる取り組み
第4章 聖なる鳥の価値:インド北東部のダム建設反対運動におけるメディア・オブジェクトの生成と循環(長岡慶) [pp.105-140]
第5章 先住民と市民社会のハイパーリンク・ネットワークを可視化する:アマゾニアにおける運河開発をめぐる論争へのデジタル・メソッドからのアプローチ(神崎隼人) [pp.141-167]
第6章 インターネットの外側で叫ぶ:西シベリア森林の石油開発と抵抗運動(大石侑香) [pp.169-185]

第Ⅲ部 文化継承
第7章 ソースコミュニティのプレゼンスを重視した民族誌資料デジタルアーカイブの構築(伊藤敦規) [pp.189-213]
第8章 オンライン空間に文化的規範を持ち込む:日本在住の移民マオリによるオンライン勉強会(土井冬樹) [pp.215-236]
第9章 言葉の重要性を復興する:アメリカ先住民ナヴァホ保留地における言語学習とデジタルメディア(渡辺浩平) [pp.237-254]

第Ⅳ部 コミュニティ内でのやりとり
第10章 台湾原住民族の部落生活におけるSNSの活用:コミュニティの構築の視点から(尤驍) [pp.257-281]
第11章 不確かな通信によるトラブル回避:中央オーストラリアにおける先住民のプリペイド型携帯電話の活用から(平野智佳子) [pp.283-298]
第12章 ソーシャルメディアで変化した住民関係:コスタリカの先住民居住区におけるゴシップに着目して(額田有美) [pp.299-323]

あとがき
索引
執筆者紹介

編者|editor

平野智佳子(ひらの ちかこ)

国立民族学博物館・准教授
文化人類学、オーストラリア先住民研究
主な著作に、『酒狩りの民族誌――ポスト植民地状況を生きるアボリジニ』(御茶の水書房、2023年)、近藤祉秋・平野智佳子「先住民とデジタル化する社会——先住民研究の新しい枠組みに向けて」(『国立民族学博物館研究報告』48(1)、2023年)、「オンライン空間で先住民の声をきく――博物館展示の脱植民地化に向けて」(『文化人類学』 89(1) 、2024年)。

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戦後日本の地方移住政策史―地域開発と〈人材〉創出のポリティクス

戦後日本の地方移住政策史

地域開発と〈人材〉創出のポリティクス

  • 伊藤将人(著)/2025年11月
  • 6300円(本体)/A5判上製474頁
  • 装丁:長田年伸

個人のライフスタイルの選択肢であり、また人口減少に悩む地域にとっての希望となった「地方移住」。Uターン、Iターン、地域おこし協力隊、そして地方創生といった言葉とセットになったこの潮流は、個人の自発的な思いから生まれた自然発生的なブームなのだろうか。なぜ国や自治体は半世紀にわたり、特定の「理想の移住者」を求め、その獲得に勤しんできたのか?

数多くの政策文書やメディアの言説を丹念に読み解き、個人の移動を「地域開発」の資源として動員してきた戦後日本を貫く欲望の正体を描く。

 

本書の成果を一言で表すならば、戦後、とくに高度経済成長期以降に生じた地方移住政策が一貫して有してきた、移住者をめぐる期待と価値規範を明らかにしたことである。それは、国土や地方の開発と発展――地域活性化や地域振興とも呼べる――に貢献する「人材としての移住者」という期待と理想化の一貫性であった。 [本文より]

 

こちらから本書の序章をお読みになれます。

 

(ISBN 978-4-86816-065-6)

目次|contents

序章  地方移住・移住者・政策的移住促進
補論1  移住者獲得をめぐる自治体間競争の認識構造―全国自治体アンケート調査に基づく分析

 

第一部 先行研究と分析方法
第1章  先行研究の到達点と課題―「地方移住政策史」の構想に向けて
第2章  地方移住政策史研究の方法と枠組み

 

第二部 地方移住と政策的移住促進の通史
第3章 地方移住の時代背景と政策形成の歴史的展開
第4章  国土計画と地方移住―戦後日本の開発と人口移動の交差点

 

第三部 事例分析
第5章  都道府県による移住政策の嚆矢―熊本県Uターンアドバイザー制度の政策過程分析
第6章  「Iターン」政策の生成と展開―一九八九年~一九九八年の長野県事例
第7章  生じなかった「団塊世代の大量移住」への期待と移住促進の論理―期待・正当化・失敗の過程分析
第8章  地域おこし協力隊制度の拡大を支えた正当化/正統化論理―国会会議録にみる制度推進の論理
第9章  地方創生と政策的移住促進の拡大と自治体間移住者獲得競争
補論2  地方創生下の国の方針とアプローチが自治体の移住促進に与えた影響

 

終章  総括と展望―地方移住・移住政策研究の再定位
補論3  新型コロナウイルス感染症以降の「転職なき移住」から考える、政策と移住機会の格差

 

あとがき

参考文献
索引

著者|author

伊藤将人(いとう・まさと)

一九九六年生まれ。長野県出身。
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員・講師。長野大学環境ツーリズム学部卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員(DC2)を経て現職。
大東文化大学社会学研究所兼任研究員、立命館大学衣笠総合研究機構客員研究員、武蔵野大学アントレプレナーシップ研究所客員研究員、NTT東日本地域循環型ミライ研究所客員研究員。専門は地域社会学、地域政策学、モビリティーズ研究。
地方移住や関係人口、観光など地域を超える人の移動に関する研究や、持続可能なまちづくりの研究・実践に携わる。
主著に『数字とファクトから読み解く 地方移住プロモーション』(2024、学芸出版社)、『移動と階級』(2025、講談社)、『モビリティーズ研究のはじめかた―移動する人びとから社会を考える』(共編著、2025、明石書店)がある。

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音を帯びる―カンボジア北東部クルンの「参与」の民族誌

音を帯びる

カンボジア北東部クルンの「参与」の民族誌

  • 井上航(著)/2025年10月
  • 4000円(本体)/A5判上製284頁
  • 装丁:大田高充

儀礼でゴングを打ち鳴らし、気まぐれに竹筒から鳴る音を楽しみ、精霊の気配に耳を澄ます。

なぜ、ある音遊びは唐突に始まってしまうのか。なぜ、災厄をもたらす精霊への供犠において、ゴングの響きは「楽しさ」を伴わなければならないのか。音の響きのなかで時を過ごすというのはいったいどのようなもので、それはいかように日常的な生活と結びついているのか。

著者自らもその音の響きに身を浸し、人びとの過ごす時間に参与する、カンボジア僻村の音の民族誌。

(ISBN 9784868160694)

目次|contents

序章 音を帯びつつ感じることとしての参与
第一章 クルンの村にて
第二章 気まぐれに音と戯れる――竹筒遊びのフィジカルな様態
第三章 竹というものを味わう――竹筒遊びのマテリアルな様態
第四章 状況に生成する精霊、声とともに動く精霊
第五章 供犠とゴング――精霊とともに楽しさを味わう
第六章 ムアンさんの牛供犠――場所から立ちのぼるもの
結語

付録 バンブラハ・タネールのボボン

参照文献
謝辞
索引

著者|author

井上航(いのうえ・こう)

京都市立芸術大学大学院音楽研究科博士課程修了
博士(音楽学)  専攻は民族音楽学
現在、京都市立芸術大学芸術資源研究センター客員研究員。和歌山県立医科大学ほかで非常勤講師。
主な著作に「精霊とゴングと拘束なき雑多な集まり―北東カンボジアにおける供犠・憑依」(『東洋音楽研究』第79号、2014年)。

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スポーツの公共圏―運動部モデルからクラブモデルへの転換

スポーツの公共圏

運動部モデルからクラブモデルへの転換

  • 水上博司(著)/2025年10月
  • 5000円(本体)/A5判上製382頁
  • 装丁:中本那由子

公と私をつなぐ、次世代のスポーツ組織とは
学校運動部内で繰り返される不祥事と、それを正当化する同調圧力、かき消される声…。英国フットボールは、パブリック・スクールの少年たちの純粋なゲーム欲求と自治によって誕生した。ムラ社会化する日本のスポーツ界の根深い問題を、スポーツ組織論で初めて「公共圏」の概念から切りひらく。
(ISBN9784868160564)

目次|Contents

まえがき

第I部 背景と問題意識
第1章 なぜ中間支援NPO型スポーツ組織を対象とするのか?
 第1節 スポーツ組織における公益法人とNPO法人
 第2節 スポーツ行政と公益法人―その癒着構造
 第3節 スポーツ組織の中間性―公と私を橋渡しする
 第4節 新たなスポーツ組織論の道筋―本書の目的と構成
第2章 これまでのスポーツ組織研究の検討
 第1節 スポーツ所有論―誰がスポーツのイニシアティブをとるか
 第2節 公共圏の創出条件を視点とする理由
 第3節 スポーツ組織研究の現状
 第4節 総括と三つの仮説
第3章 スポーツの公共圏を考えるために
 第1節 スポーツの公共圏を構想する
 第2節 スポーツの公共圏の課題―ハーバーマスからの問い
 第3節 複数化する公共圏―インターネットを介した言語の連鎖
 第4節 規範と対話が織りなす公共圏―アソシエーションの役割
第4章 スポーツクラブ論―アソシエーション
 第1節 運動部モデルへの過剰な擁護
 第2節 運動部モデルからクラブモデルへ
 第3節 市民的公共性を生み出すクラブモデル
第5章 スポーツの公論―言語
 第1節 英国クラブ文化史にみる言語
 第2節 1クラブ多種目を包摂する公論
 第3節 「スクール・ゲーム」と少年たちの自治
 第4節 公と私をつなげる公論
 第5節 クラブマネジャーが担う公論形成

第II部 スポーツの公共圏の創出―中間支援NPO型組織の運営を通じて
第6章 支援する立場からの「自己語り」―本書の方法と構成
 第1節 公共圏の創出条件の布置関係―分析枠組み
 第2節 支援NPOにおける当事者性―分析対象
 第3節 支援NPO設立前夜の「自己語り」
 第4節 「橋渡し」を意味する支援
 第5節 仮説を論証する研究視点と社会理論
第7章 支援NPOが創出した公共圏
 第1節 地域社会論から市民社会論へ
 第2節 スポーツの市民的地位をめざして―目的と方法
 第3節 新しい社会運動論とラディカル・デモクラシー論
 第4節 支援NPOの活動―5期に区分した実践
 第5節 新たな「代表性」へ
第8章 支援NPOが創出したヘゲモニーに対する抵抗
 第1節 政権交代と総合型クラブ
 第2節 3つの政策イシューと抵抗―目的と方法
 第3節 「抵抗」の文化的実践と研究者の役割
 第4節 政策イシューをめぐる支援NPOの実践
 第5節 支援NPOの抵抗と自省から創造へ―考察
 第6節 ヘゲモニーに対する抵抗を読み解く
第9章 支援NPOとの関係性から形成された社会関係資本
 第1節 震災が浮き彫りにした総合型クラブのネットワーク
 第2節 社会関係資本を読み解く
 第3節 スポーツをめぐる社会関係資本の研究
 第4節 社会関係資本の概念にもとづく3つのフェーズ構成
 第5節 寄付金募集プロジェクトと当事者性
 第6節 社会関係資本の形成プロセス
 第7節 社会関係資本から経済資本への転移
 第8節 クラブがもつ橋渡し機能

第III部 結論 現代スポーツ組織論の展開
第10章 スポーツ組織論の新たな視点
 第1節 オルタナティブなスポーツの公共性を考える
 第2節 代表性の脱構築
 第3節 ヘゲモニーに対する抵抗
 第4節 チームワークからクラブワークへ
終章 「クラブとは何か」から…

あとがき
用語解説
初出一覧
文献
図表一覧
索引
謝辞

著者|Author

水上博司(みずかみ・ひろし)
1965年、広島県生まれ。
三重大学教育学部を経て、現在は日本大学文理学部教授。専攻はスポーツ社会学。
編著に『スポーツクラブの社会学』(青弓社)、『ジグソーパズルで考える総合型地域スポーツクラブ』(大修館書店)、『スポーツコモンズ』(創文企画)等がある。共著に『スポーツプロモーション論』(明和出版)、『2020東京オリンピック・パラリンピックを社会学する』(創文企画)、『現代社会におけるスポーツと体育のプロモーション』(大修館書店)、『現代社会とスポーツの社会学』(杏林書院)等がある。

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都市はどう変わるのか―共創によるまちづくりをめざして

都市はどう変わるのか

共創によるまちづくりをめざして

  • 菅沼若菜(著)/2025年8月
  • 3500円(本体)/A5判上製244頁
  • 装丁:中本那由子

住民不在のまちづくりは、ノー!
超リスク社会における行政・民間企業主導の政策に対して、住民が参加し、アイデンティティをもつことができるまちづくりは可能なのか? 住民へのアンケート調査・インタビュー(コロナ前/コロナ後)をもとに、住民の意向が反映され、住民主体のまちづくりへ転換していくプロセスを詳細に描き出す。
(ISBN9784868160786)

目次|Contents

第1章 創造都市・情報都市における「空間」と「場所」の関係
第2章 創造都市―横浜黄金町「アートのまち」
第3章 スマートタウンのまちづくり―横浜綱島
第4章 コロナ禍を経た今後のまちづくり―変わるもの・変わらないもの

著者|Author

菅沼 若菜(すがぬま わかな)
東京都立大学人文科学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。
現在、東京都立大学人文科学研究科博士研究員。
〈著書等〉
「住民ニーズからみるスマートシティにおける課題」北川由紀彦・山本薫子・山口恵子・玉野和志編『社会をひもとく――都市・地域にみる社会問題の問い方』有斐閣,2025年
「コロナは都市の暮らしにどのような影響を与えたか――デジタル化とまちづくりに着目して」『日本都市社会学会年報』41:54-69,2023年
「ICTを活用したまちづくりと近隣地域とのつながりに関する考察――横浜綱島スマートタウンを事例に」『地域社会学会年報』32:136-150,2020年
「交錯するアートの公共性――横浜黄金町「アートのまち」のその後に着目して」『社会学論考』40:69-92,2019年

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